休業のご挨拶
2018年1月からの約半年の長期休業を発表してからおよそ2ヶ月経ちましたが、昨日、無事に休業前の最終営業が終わりました。 最終日ということでたくさんのお客様にお越し頂き、また皆様から「夏の再オープンを楽しみにしています」とおっしゃって頂き、大変感謝しております。 2週間前には「なぜ休業するのか」や「今後どうするのか」といったこともお話いたしましたが、中にはまだオープンに出来ない話もあり、少し消化不良のところもあったかもしれません。申し訳ありません。 皆様一番気になっていることは「今度は誰が店に立つのか」だと思います。こちらのほうは時期が来れば発表できるのですが、すでに任せる人物は決定しています。おそらく2月頃には発表の準備が整うと思いますので、それまでもう少しお待ち頂ければと思います。 今月は私が店に立つのは最後だからということでお越し頂いたお客様もいらっしゃって、中には何度も足をお運び頂いたお客様もいらっしゃいました。私が考えていた以上に、そういったお客様が多く、嬉しい半面、一抹の寂しさも感じておりました。 その私についてですが、年明けから再び
ビールについて学ぼう:第十一回 ~麦汁をきれいに:濾過工程~
仕込工程でデンプンが糖になり酵母が発酵できるようになりましたが、麦汁には麦の穀皮などの固形物が残っているのでこれらを取り除かなくてはいけません。これが『濾過工程』です。 濾過には穴の開いた金属板であるロイター板を用いるロイター式と、濾過布を使うフィルタープレス式の2通りがあります。いずれの場合も麦の穀皮をフィルターとして使用します。 図はロイター式の場合ですが、底に沈んだ穀皮がフィルターになりロイター板のメッシュを開いて麦汁を循環させます。 この循環を繰り返すことで澄んだ麦汁が得られるのですが、色々と注意が必要です。 濾過の時間を短縮するためやエキス分を多く取ろうとして強制的に濾過(たとえば圧力をかける)すると、脂質に含まれる濁り成分が濾過した麦汁に含まれるようになり、ビールの味わいに悪影響が出ます。そのため、基本的には自然に麦汁が濾過されるのを待つことになります。 また循環した麦汁をロイター槽に戻す時に勢いがありすぎると麦汁が撹拌されてしまい、濾過に時間が余計にかかります。そのため、循環した麦汁はできるだけ静かに戻します。 循環を繰り返して得ら

樽生ビールが完売しました
休業まであと少しだったのですが、残念ながら樽生ビールが全て完売してしまいました。 樽生ビールはなくなりましたが、ボトルのビールは限定ビール、クリスマスビールも含め、約250本、特別価格のビールも約50本残っておりますので、まだまだお楽しみいただけます。 本日は終日貸し切りとなっておりますが、休業前の来週3日間(25日、26日、27日)で、是非お楽しみ下さい!
ビールについて学ぼう:第十回 ~デンプンを糖分に:仕込工程~
製麦工程を経て麦芽の準備が整いました。しかしアルコールに変えてくれる酵母はデンプンのままでは分解できません。『仕込工程』は麦のデンプンを糖分に分解する工程です。またタンパク質もアミノ酸に分解されます。 仕込工程の大きな流れは、 麦芽を粉砕 水と混ぜておかゆ状に(マイシェ) 撹拌しながら加温して糖化とタンパク質の分解 です。 ではもう少し詳しく見ていきましょう。 麦芽の粉砕
麦芽中のデンプンを糖化する時に、麦芽の粒のままでは効率が悪いのであらかじめ細かく粉砕します。しかし、ただ細かくすればいいだけではないようです。 麦芽には穀皮がついたままです。この穀皮は後の『濾過工程』で濾過材としての役割を担いますが、あまり細かくしすぎるとロイター板(濾過工程のところで説明します)が目詰まりを起こして濾過に時間がかかってしまいます。従って穀皮は細かくしないようにします。その一方、穀粒については細かくしないと糖化の効率が悪くなります。そのため麦芽の粉砕の工程では穀粒は細かく、穀皮は粗くなるように工夫されているそうです。実際にどんなふうにしているのか見てみたいもの

ビアバル コムシェモアのこれから
先日、2018年1月からの休業をお知らせしましたが、その後、たくさんのお客様から「なんで休むの?」「これからどうするの?」といったご質問を頂いています。 その中で一番多かったご質問は「休んで海外に行くの?ベルギー?」ですが、残念ながらベルギーにはしばらく行けそうにありません…… お越し頂きご質問頂いたお客様にはその都度お答えしていますが、なかなかきちんとご説明できない場合もありました。 そこで、改めて何を考えこれからどうしようとしているのかを、お店に足をお運びいただけないお客様にもきちんと文章でお伝えしようと思います。 <休業に至った思い>
2017年8月に開業し1年余り営業してきましたが、出来ていないことが本当にたくさんありました。 その中でも「ベルギービールをたくさんの人に楽しんで頂き、そしてその多様性を感じて頂くことで、新しい可能性へ進むほんの少しのきっかけになりたい」というそもそもの開業の想いがなかなか伝えられないことに歯痒い思いをしてきました。 しかしその一方で、その想いはお客様が求めていることと合致しているのか、単なる独りよがりじゃ
ビールについて学ぼう:第九回 ~麦を麦芽に:製麦工程~
さて、前回はビール醸造の全体の流れをお話しました。今回からそれぞれの工程について順を追ってお話していきます。 ビール醸造のスタートはもっと遡ると麦の栽培、収穫から始まるわけですが、そこまでは行き過ぎですので麦を醸造所に持ってきたところから始めたいと思います。まず最初は麦を麦芽にする『製麦工程』からビール醸造はスタートします。 『麦芽』とは読んで字のごとく芽のでた麦。デンプンやタンパク質を分解する酵素を作り出すために発芽させるわけですが、製麦工程は麦を発芽させ仕込の準備をする工程です。 浸麦
麦を水に浸けます。これは発芽に必要となる水分を補う作業です。またこのプロセスでは麦の穀皮に含まれる苦味成分(タンニン)が水に溶け出します。浸ける水の温度は15℃くらいで、最終的に45%くらいの水分含量になります。 発芽
水を含んだ麦は一定温度(15℃前後)に保たれた発芽室で発芽します。 焙燥
発芽した麦の成長が進み過ぎるとビール醸造には適さないため、焙燥することで麦の成長を止めます。またこれによってビール特有の色や香りが作り出されます。ただしこの焙燥の温

商標登録とりました!
オープン当初から親しんでいただいているビアバル コムシェモアのロゴ。これは何を隠そう、店主が2ヶ月かけて作ったんです。 それなりにこだわりがあって、グラスは店主がベルギービールにハマるきっかけになったデュベルのグラスをイメージ。そしてこのグラスは大きさの異なる円を使って描いたのですが、その円の大きさは黄金比率を使っています。 最初はナイフ、フォークはなかったのですが、食べ物をイメージしていただくために後から追加したり、何度も手を入れながら作りました。 そんな想いのこもったロゴなので大事にしたくて商標登録を取ることに。とは言っても弁理士さんに頼んだりするとお金がかかるので、登録の申請など全て自分でやってしまいました。 思ってたほど難しくなく、特許庁の方も親切に対応して頂き、トラブルなく取ることができ、昨日、特許庁から商標登録証が届きました。 晴れて自作のロゴがプロテクトされ、早速ホームページのロゴ横に登録商標マークをつけてみました。 それにしても、他に類似のものがなかったこともあると思いますが、商標登録のプロセスがこんなに簡単だとは思いませんでした

貸し切りと臨時休業のお知らせ
下記日程で貸し切り営業、並びに臨時休業をいたします。 12月5日:20時より貸し切り営業 12月6日:都合により臨時休業 12月8日:19時より貸し切り営業 ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
ビールについて学ぼう:第八回 ~ビール製造の基本~
これまでの原料の話の中でも、必要に応じて製造に関することにも触れてきましたが、これからビールの製造について話していきます。 第八回では『ビール製造の基本』と題して、ビールの製造工程の全体像についてまとめます。 この『ビールについて学ぼう』ではビールの定義を『麦を原料にした醸造酒』としました。またこれまでの麦や酵母の話のところで、麦に含まれるデンプンは酵素によって糖に分解され、その糖は酵母によってアルコールと炭酸ガスに分解されるという話をしました。これらからビールの製造を端的にまとめると、 『ビールは麦に含まれるデンプンを糖に分解し、さらに酵母がその糖をアルコールと炭酸ガスに分解する事によって造られる。』 と言えます。でも基本の原料のホップが出てきてませんね。これも足してみると、 『ビールは麦に含まれるデンプンを糖に分解、苦味や香りの成分であるホップが加えられた後、酵母が糖をアルコールと炭酸ガスに分解する事によって造られる。』 ちょっと長くなりましたが、水以外の基本の原料は全て出てきました。これまでの話を思い出していただきながら、もう少し細かく分解
